怪獣映画のサントラと言うことなかれ。

クラシックCDこの曲ベスト3 File-009

伊福部明:交響的SFファンタジー第1番

日本の作曲家の作品で、
日本人は何を聴くべきか?
本作品以外には考えられません。
「怪獣映画のサントラだろ」などと
言うことなかれ。
伊福部明は紛れもなく
日本を代表する現代音楽作家であり、
本作品はまた紛れもなく
伊福部明の代表作であるからです。

広上淳一(指揮)日本フィル
日本人指揮者による
日本のオーケストラの演奏。
この盤でじっくり聞き込むと、
本作品が優れた現代曲であることが
理解できます。
第1番だけでなく、
第3番まで聴けるのもgood。
芸術作品としての演奏を
楽しみましょう。

ヤブロンスキ(指揮)ロシア・フィル
ロシア人指揮者と
ロシアのオケによる演奏。
伊福部がインターナショナルな
存在であることが実感できます。
それにしても指揮者と楽団員、
これが怪獣映画の音楽であることを
説明されていたのかどうか?
どんな顔をして演奏していたのか、
興味のあるところです。

伊福部昭メロディアスコンパイル
厳密に言うとこちらは
「交響的SFファンタジー第1番」では
ありません。
その素材集みたいなものです。
資料的価値が高く、
時々引っ張り出しては
楽しんでいます。
ゴジラ関係だけでなく、
座頭市、眠狂四郎、
大魔神、ビルマの竪琴等、
いかに伊福部音楽が日本映画にとって
重要な要素であったかが
俯瞰できる一枚です。

さて、中学校の音楽の授業で
取り上げられる日本音楽は
武満徹の「ノヴェンバーステップス」。
子どもたちが次々に
眠りに落ちていくのが見えるようです。
確かに素晴らしい
芸術性を持った作品だと思うのですが、
その曲はある程度
クラシック音楽を聴きこなした人間の
味わうべきものだと思うのです。
クラシック音楽を聴き始めた方には、
この一曲こそお薦めです。

(2020.5.24)

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