これぞ管弦楽曲!というべき作品

クラシックCDこの曲ベスト3 File-012

ビゼー:劇音楽「アルルの女」Op.23

これぞ管弦楽曲!というべき作品です。
有名なのは組曲版であり、
明るく愉しげな音楽が並びます。
これを聴けば気分はすっきり。
音楽はこういう
わかりやすさが大切です。
でも、原曲版は
悲劇的な戯曲への付随音楽であり、
決して楽しいばかりではないのですが。
難しいことはさておき、
ビゼーの美しい旋律を味わいましょう。
組曲版が一般的で、
第1組曲・第2組曲とがあります。

デュトワ(指揮)モントリオール響

こちらは組曲版です。
管弦楽の瑞々しい
色彩感に優れた演奏です。
デジタル録音になってからの名盤です。
初めての方に安心して
お薦めできる1枚です。

プラッソン(指揮)
トゥールーズ・キャピトル劇場管

劇音楽すべて入った全曲版です。
組曲に漏れた音楽も
こんなに魅力的だったのかと
思い知らされる1枚です。
全曲版演奏は数少なく、
私も中古でようやくこの盤を
入手した次第です。

ミンコフスキ(指揮)ルーヴル宮音楽隊

実はこれが私の愛聴盤です。
第1組曲と第2組曲の間に、
劇音楽からの8曲を挟むという
独特の構成です。
演奏当時の時代楽器で、
きびきびと音楽が進行します。
ジャケットもすばらしく、
100ページ以上の絵本のような仕様。
美しい絵画が何点も収録されていて、
見ているだけで楽しめます。
これで書いてあるフランス語が
理解できれば
数倍楽しめるのでしょうが。
naiveというフランスの会社が
製作したのですが、この会社の盤は
企画、選曲、ジャケット装幀と、
すべてにセンスの良さが表れていて
好感を感じます。

クリュイタンス盤や
70年代のカラヤン盤も
味わい深いのですが、
この曲は音の鮮度も大切でしょう。
こんなに魅力的な作品なのに、
最近新しい盤が
リリースされないのが残念です。
新機軸を
打ち出しにくい曲なのでしょうか?
若手指揮者の魅力ある演奏の登場を
期待しているところです。

(2020.6.13)

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