ハイドン:弦楽四重奏曲全集
4つの弦楽パートで演奏される
弦楽四重奏曲は、
オーケストラ曲やピアノ曲のように
ドラマチックな演出ができないため、
どうしても地味になりがちで、
一般には退屈なジャンルと
受け止められています。
でも、その弦楽四重奏曲を
せっせと83曲も作ったハイドンさん。
お疲れ様でした。
そしてそれらすべてを録音した
フェステティチ四重奏団の皆さま、
お疲れ様でした。
そしてありがとうございます。
ハイドン:弦楽四重奏曲全集
(演奏)フェステティチ四重奏団
〔ARCANA〕
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/06/2020.06.27-1.jpg?resize=700%2C699&ssl=1)
この83曲、有名曲以外、
大きな特色があるわけでもなく、
聴いてもすぐ忘れてしまうのが
ほとんどです。
そんなものをどうして
買うのか、聴くのか、と言われると
返答に困ります。
でも、私は、このハイドンの
弦楽四重奏曲全集を聴くことに、
大きな喜びを感じてしまうのです。
一つは、このCD全19枚の全集が
一般庶民にも
入手できるようになったということ。
このBOXは発売当初約1万円。
十数年前には考えられない値段です。
一つは、こうしたCDを
丹念に聴くための、
時間的余裕と精神的余裕が
それなりにできたこと。
前者はそれほど
大きくはないのですが、
後者は年齢とともに
広がってきました。
そしてもう一つは、
こうした全集を味わえるほど、
家庭が平和であること。
これが何より大切です。
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/06/2020.06.27-2.jpg?resize=700%2C693&ssl=1)
で、聴き通してみると、
決して退屈ではないのです。
これ、いい曲!と思えるものが
いくつか見つかります
(でも後になって思い出そうとしても、
それがどの曲だったか
思い出せない!)。だからいいのです。
数年後に、退職して時間の余裕が
もっとできたとき、1日いっぱい、
ハイドンを聴いて過ごすことができたら
どんなに幸せなのだろうかと、
ついつい考えてしまいます。
(2020.6.27)