ハイドンの弦楽四重奏曲全曲を聴く喜び

ハイドン:弦楽四重奏曲全集

4つの弦楽パートで演奏される
弦楽四重奏曲は、
オーケストラ曲やピアノ曲のように
ドラマチックな演出ができないため、
どうしても地味になりがちで、
一般には退屈なジャンルと
受け止められています。
でも、その弦楽四重奏曲を
せっせと83曲も作ったハイドンさん。
お疲れ様でした。
そしてそれらすべてを録音した
フェステティチ四重奏団の皆さま、
お疲れ様でした。
そしてありがとうございます。

ハイドン:弦楽四重奏曲全集
(演奏)フェステティチ四重奏団
〔ARCANA〕

この83曲、有名曲以外、
大きな特色があるわけでもなく、
聴いてもすぐ忘れてしまうのが
ほとんどです。
そんなものをどうして
買うのか、聴くのか、と言われると
返答に困ります。

でも、私は、このハイドンの
弦楽四重奏曲全集を聴くことに、
大きな喜びを感じてしまうのです。

一つは、このCD全19枚の全集が
一般庶民にも
入手できるようになったということ。
このBOXは発売当初約1万円。
十数年前には考えられない値段です。

一つは、こうしたCDを
丹念に聴くための、
時間的余裕と精神的余裕が
それなりにできたこと。
前者はそれほど
大きくはないのですが、
後者は年齢とともに
広がってきました。

そしてもう一つは、
こうした全集を味わえるほど、
家庭が平和であること。
これが何より大切です。

で、聴き通してみると、
決して退屈ではないのです。
これ、いい曲!と思えるものが
いくつか見つかります
(でも後になって思い出そうとしても、
それがどの曲だったか
思い出せない!)。だからいいのです。

数年後に、退職して時間の余裕が
もっとできたとき、1日いっぱい、
ハイドンを聴いて過ごすことができたら
どんなに幸せなのだろうかと、
ついつい考えてしまいます。

(2020.6.27)

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