クラシックCDこの曲ベスト3 File-015
シューベルト・ピアノ五重奏曲イ長調D.667「ます」
シューベルトの音楽は
何から聴くべきか?
歌曲王といわれるくらいですから
歌曲から聴くのが正道でしょう。
しかし、一般的には
歌曲はある程度クラシック音楽を
聴き慣れた方でなければ
楽しめないと思うのです。
私もポピュラー音楽から
クラシック音楽に趣味が移行した折、
歌曲はなかなかなじめませんでした。
それでは何から聴くべきか?
もちろんこれです。
ピアノ五重奏曲「ます」。
中学校の音楽の時間に、
有名な第4楽章(歌曲からの変奏曲)を
聴いて覚えている方も多いでしょう。
でも、じっくり聞くと、
それ以外の楽章の魅力が
心に染みてくるのです。
ヤン・フォーグラーと仲間たちによる
「ます」変奏曲
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/07/2020.07.06-1.jpg?resize=300%2C300&ssl=1)
1 シューベルト
ピアノ五重奏曲イ長調D.667「ます」
2 シューベルト 歌曲「ます」D.550
3 E.ソーリッド&L.A.トムテ 「ます」
4 マシュー・ホィットール
「オードブル」
5 S.カシュテンセン&B.シュミット
「Forelle Blue」
フォーグラー(チェロ:1,2)
シーララ(ピアノ:1,2,4)
シュミット(ヴァイオリン:1,5)
トムテ(ヴィオラ:1,3)
サクサラ(コントラバス:1,2)
ソーリッド
(ハルダンゲル・フィドル:3)
カシュテンセン(アコーデオン:5)
楽しいといえば、
このCDが最も楽しめます。
北欧民族音楽とポップスの
融合を図っているアーティストらが
作曲&即興で参加しているという当盤。
2曲目以降を聴くことにより、
「ます」のすべてを味わえるという
逸品です。
ます料理の
フルコースといったあたりでしょうか。
田部京子+カルミナ四重奏団
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/07/2020.07.06-2.jpg?resize=300%2C300&ssl=1)
シューベルト
ピアノ五重奏曲イ長調 D.667「ます」
シューマン
ピアノ五重奏曲変ホ長調 op.44
田部京子(ピアノ)
カルミナ四重奏団
コントラバス:ペトル・イウガ
いちばん活きのいい
「ます」かも知れません。
録音も素晴らしく、楽器の一つ一つが
くっきりと聞こえます。
室内楽の録音とはかくあるべし、という
優秀録音です。しかもSACDです。
スティーヴン・ルービン
AAM室内アンサンブル
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/07/2020.07.06-3.jpg?resize=300%2C300&ssl=1)
シューベルト
ピアノ五重奏曲イ長調D.667「ます」
(ルービン(Fp)AAM室内アンサンブル)
シューベルト
ますD.550
川辺にてD.539
湖上にてD.543
エルラフ湖D.586
泉に寄せてD.530
小川のほとりの若者D.192
舟人D.536
(エインズリー(T) ルービン(Fp))
何とも枯れた渋い色合いの「ます」。
私はこの盤が最も大好きです。
音色は渋いのですが、
「ます」の躍動感はピカイチです。
むしろ自然の渓流の雰囲気が
見事に表現されていると思います。
カロリーの高い交響曲は
胃もたれしてしまうため、
最近はもっぱら室内楽曲や
器楽曲を聴いています。
シューベルトの曲は総じて
長ったらしい雰囲気があり、
「ます」も40分近くかかります。
その40分を飽きさせない演奏が
優れている盤といえるのでしょう。
シューベルトの「ます」、いかがですか。
(2020.7.6)