女性作曲家による室内楽曲集CD-1

こんなに素晴らしい室内楽が埋もれていたなんて

こんなに素晴らしい室内楽が
埋もれていたなんて驚きです。
本CDを聴いての率直な感想です。
マカリスター三重奏団による
「女性作曲家による室内楽曲集」、
珍しい作品が並んでいます。
そしてそれらが
なんとも味わい深いのです。

「女性作曲家による室内楽曲集」
 マカリスター三重奏団
  ドナルド・ベッツ(p)
  ジョセフ・ロシュ(vn)
  カミッラ・ヘラー(vc)
〔voxbox〕CDX-5029

CD1
C.シューマン:
 ピアノ三重奏曲 ト短調 Op.17
 マカリスター三重奏団
ビーチ:
 ピアノ三重奏曲 イ短調 Op.150
 マカリスター三重奏団
タイユフェール:
 ヴァイオリン・ソナタ第1番嬰ハ短調
 ジョセフ・ロシュ(vn)
 ポール・フリード(P)
ブーランジェ:
 3つの小品より「夜想曲」「行列」
 ジョセフ・ロシュ(vn)
 ポール・フリード(P)

1曲目のクララ・シューマンの
ピアノ三重奏曲から素敵です。
夫シューマンの
地味なピアノ三重奏曲よりも
聴きどころ豊富なような気がします。
特に第4楽章でヴァイオリンが歌う
メロディが素敵です。

クララの残した作品は
決して多くないのでしょう、
私の手元の
三省堂「音楽作品名辞典」では、
室内楽については
本作品のみが記されているだけです。

2曲目のビーチ。
美しくも刺激的な曲想です。
起伏に富んだ旋律で、
ピアノ、ヴァイオリン、チェロが
拮抗しながら曲が進行していきます。
こちらは辞典に載ってさえいません。
しかし検索してみると、
いくつか録音が見つかりました。

3曲目のタイユフェール。
フランスの作曲家です。
このヴァイオリン・ソナタも
フランス風です。
ラヴェルやフォーレの未発見の
ヴァイオリン・ソナタと言って
聴かせれば、知らない人は
信じてしまうのではないかと
思われます。

4曲目はブーランジェ。
こちらもフランスです。
2曲のヴァイオリンとピアノの
作品ですが、明るい曲調で
チャーミングな曲です。

このブーランジェ、
何でも若くして亡くなったとか。
もう少し時間があったなら、
どんな曲を残していたのか、
興味が尽きません。

クラシック音楽の森は
まだまだ深くて広い。
改めてそう感じます。
素晴らしいCDに出会いました。
このVoxBoxというアメリカのレーベル。
ジャケットがレトロなデザインで
クラシックと言うよりは
ムード歌謡か何かのような印象ですが、
なぜか私は惹かれてしまいます。

(2020.9.20)

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