聴いて元気が出てくるような曲ではありませんが

クラシックCDこの曲ベスト3 File-024

チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調Op.74「悲愴」

チャイコフスキーの第6交響曲は、
「悲愴」という表題が示すように
聴いて元気が出てくるような
曲ではありません。
しかし、ところどころに
美しい旋律がちりばめられた、
チャイコフスキーならではの名曲です。

クルレンツィス(指揮)
ムジカエテルナ(2015年)

3年ほど前に出た
比較的新しい録音です。
私はこの盤が現時点での
№1ではないかと思います。
緊張感が漲り、
若々しくエネルギッシュな演奏が
展開されます。
指揮者クルレンツィスは
近年注目を浴びている鬼才です。

ゲルギエフ(指揮)
ウィーン・フィル(2004年)

この盤の聴き所は弦の美しさです。
ウィーン・フィルのアンサンブルの
素晴らしさを堪能すべきディスクです。
そして指揮者ゲルギエフの
大胆かつ細心の指揮。
4番、5番とともに第6番も
長く聴き続けることのできる演奏です。

ムラヴィンスキー指揮
レニングラード・フィル(1960年)

もはや古典的な
演奏となってしまいましたが、
時折このディスクを引っ張り出して
しみじみと聴いてしまいます。
ゲルギエフ盤のような
美しさがあるわけでもなく、
クルレンツィス盤のような
若々しさがあるわけでもなく、
極めて無骨な演奏とでも
言えるでしょうか。
でも、この曲で3枚選ぶとき、
この盤をどうしても
外すことができません。

この3枚以外にも
素晴らしい演奏が目白押しです。
4種のカラヤンの新旧の盤、
アバド盤、フリッチャイ盤、
バーンスタイン盤等々。

交響曲を丸々1曲聴き通すのは、
クラシック好きでないと
難しいのかも知れませんが、
最も手軽にできる芸術鑑賞です。
クラシック音楽、
芸術の秋にいかがですか。

(2020.10.5)

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