歌の聴きどころの多いオペラが好き

クラシックCDこの曲ベスト3 File-026

プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」

CDで聴くオペラでは
どの作品が面白いか?
なかなか難しい問題です。
映像が伴うと
面白さがよりよく伝わるのですが、
CDは音だけです。
私の場合は、「歌」の聴き所の
多い作品を好んで聴いています。
第三幕の王子カラフによる
アリア「誰も寝てはならぬ」が
フィギュアスケートでも
よく使用されている、
この「トゥーランドット」は、
筋書きがよくわからなくても
聴いていて愉しいオペラです。

モリナーリ=ブラデッリ指揮
ローマ歌劇場管・他
ニルソン(トゥーランドット)
カラフ(コレッリ)

リリューも含めた主役3人の存在感が
際立った録音だと思います。
本オペラの
いくつか出回っている映像作品は、
残念なことに主役たちの歌が
今一つに感じられるものが多いのです。

セラフィン指揮
ミラノ・スカラ座管・他
カラス(トゥーランドット)
フェルナンディ(カラフ)

マリア・カラスのトゥーランドットです。
トゥーランドットは
カラスのキャラクターと
いささかずれるように思えるのですが、
当盤のカラスは
血も凍るような凄絶な
トゥーランドットを演じています。

カラヤン指揮
ウィーンpo・他
リッチャレッリ(トゥーランドット)
ドミンゴ(カラフ)

比較的新しい録音である当盤の魅力は、
「歌」だけでなく「音」の素晴らしさです。
オーケストラの豪華な表現で聴かせる、
カラヤンならではの
「トゥーランドット」となっています。
オペラというよりは
「歌付のオーケストラ曲」という
イメージです。

オペラCDは制作費の関係で
劇場一発録りのものしか
新しく登場しません。
臨場感はあるのですが、
観客の咳や拍手が
入りこんでいるものも多く、
部屋で聴くには没頭しにくいのです。
むしろこうした
古くからある録音の方が
聴きやすいと私は感じています。
もっともそれ以前の問題として、
近年はオペラの新しい録音のCDが
なかなか登場していないので、
古い録音を聴くしかないのですが。

この3枚に加えてラインスドルフ盤を
所有しています。
こちらも聴き応えのある録音です。

スタジオ録音の新盤など
もはや期待できそうにありませんので、
これからもこうした名録音を
楽しんでいきたいと思います。

(2020.10.17)

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