クラシックCDこの曲ベスト3 File-026
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」
CDで聴くオペラでは
どの作品が面白いか?
なかなか難しい問題です。
映像が伴うと
面白さがよりよく伝わるのですが、
CDは音だけです。
私の場合は、「歌」の聴き所の
多い作品を好んで聴いています。
第三幕の王子カラフによる
アリア「誰も寝てはならぬ」が
フィギュアスケートでも
よく使用されている、
この「トゥーランドット」は、
筋書きがよくわからなくても
聴いていて愉しいオペラです。
モリナーリ=ブラデッリ指揮
ローマ歌劇場管・他
ニルソン(トゥーランドット)
カラフ(コレッリ)
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/10/2017.09.14-1.jpg?resize=700%2C598&ssl=1)
リリューも含めた主役3人の存在感が
際立った録音だと思います。
本オペラの
いくつか出回っている映像作品は、
残念なことに主役たちの歌が
今一つに感じられるものが多いのです。
セラフィン指揮
ミラノ・スカラ座管・他
カラス(トゥーランドット)
フェルナンディ(カラフ)
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/10/2017.09.14-2.jpg?resize=700%2C598&ssl=1)
マリア・カラスのトゥーランドットです。
トゥーランドットは
カラスのキャラクターと
いささかずれるように思えるのですが、
当盤のカラスは
血も凍るような凄絶な
トゥーランドットを演じています。
カラヤン指揮
ウィーンpo・他
リッチャレッリ(トゥーランドット)
ドミンゴ(カラフ)
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/10/2017.09.14-3.jpg?resize=700%2C598&ssl=1)
比較的新しい録音である当盤の魅力は、
「歌」だけでなく「音」の素晴らしさです。
オーケストラの豪華な表現で聴かせる、
カラヤンならではの
「トゥーランドット」となっています。
オペラというよりは
「歌付のオーケストラ曲」という
イメージです。
オペラCDは制作費の関係で
劇場一発録りのものしか
新しく登場しません。
臨場感はあるのですが、
観客の咳や拍手が
入りこんでいるものも多く、
部屋で聴くには没頭しにくいのです。
むしろこうした
古くからある録音の方が
聴きやすいと私は感じています。
もっともそれ以前の問題として、
近年はオペラの新しい録音のCDが
なかなか登場していないので、
古い録音を聴くしかないのですが。
この3枚に加えてラインスドルフ盤を
所有しています。
こちらも聴き応えのある録音です。
スタジオ録音の新盤など
もはや期待できそうにありませんので、
これからもこうした名録音を
楽しんでいきたいと思います。
(2020.10.17)