クラシックCDこの曲ベスト3 File-027
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番ハ嬰ハ短調Op.27-2「月光」
ベートーヴェンのピアノソナタの
2つめに取り上げるのは「月光」です。
第8番「悲愴」では、
ギレリス、バレンボイム、リムという、
巨匠2人と若手1人を選んでみました。
この曲もギレリスやポリーニ、
バレンボイム、グルダ、
ケンプといった巨匠たちを
無視することはできないのですが、
最近聴き入っている3枚は
次の通りです。
ピリス(p)2001年録音
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/10/2020.10.31-1.jpg?resize=640%2C480&ssl=1)
ピリスのレパートリーとしては、
ベートーヴェンは珍しい方でしょう。
ピアノソナタは
この1枚のみ(だったはず)、
あとはピアノ協奏曲を
いくつか残しているのみです。
2001年録音の本盤は、
発売当時あまり
話題にはなりませんでしたが、
私は気に入っています。
変に重々しくすることなく、
流麗に弾ききるスタイルは、
まるでピリスの名盤である
モーツァルト:ピアノソナタ全集の
続編を聴いているかのような
錯覚を覚えます。
チャオ(p)2013年録音
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/10/2020.10.31-2.jpg?resize=640%2C480&ssl=1)
若手の鮮烈な演奏としては
ギィを選ぼうか、リムを選ぼうか、
それとも…と迷ったのですが、
比較的よく聴いているのは
このチャオの演奏です。
ピアノ・ソナタ全集の1枚ですが、
聴いていてはっとさせられる部分の
多い演奏です。
このときまだ10代。
それでいて抜群の技術を感じさせます。
恐るべき女性ピアニストです。
ただ、この素晴らしい全集の後、
確かチャイコフスキーの協奏曲、
そしてショパンのアルバムを
出したと思うのですが、
そのあとが続いていないのが残念です。
一体どこで何をしているのか。
私は次の演奏を聴きたくて
うずうずしている状態です。
リュビモフ(fp)2012年録音
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/10/2020.10.31-3.jpg?resize=640%2C480&ssl=1)
先日取り上げた
「BEETHOVEN REDISCOVERED」に
収められている
ベテラン・リュビモフの1枚です。
フォルテピアノによる演奏です。
もっと早くから
聴いておくべきだったと思っています。
フォルテピアノの響きは
通常のピアノを聴き慣れた私の耳には
かなり新鮮に響いてきます。
フォルテピアノは
ブラウティハムやインマゼール、そして
日本人奏者の七條恵子も注目ですが、
私はまだ聴いていません。
このあと手を伸ばしていきたいと
思っています。
それにしてもこの嬰ハ短調のソナタ、
「月光」というなんともロマンチックで
詩的な「俗称」の効果もあり、
ベートーヴェンのピアノソナタの中でも
抜群の人気を誇っています。
特に第3楽章の高揚感は
なんともいえない魅力を放っています。
できるだけ多くの演奏を
楽しみたいと思います。
(2020.10.31)