ブラウティハムのベートーヴェン

フォルテピアノによるピアノ・ソナタ全集

初めてフォルテピアノ
ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集を
買いました。
私は決して
毛嫌いしていたわけではありません。
情報が入ってこなかったのです。
以前からフォルテピアノによるCDは
登場していたはずなのですが、
「フォルテピアノっていいよ」という
評価が伝わってこなかったのです。
ようやく最近ネットで
フォルテピアノをを指示する声を聞き、
それならと思って購入した次第です。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集
ブラウティハム(フォルテピアノ)
〔BIS〕(2003年~2008年録音)

Beethoven: The Complete Sonatas

Disc1
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調Op.2-1
ピアノ・ソナタ第2番イ長調Op.2-2
ピアノ・ソナタ第3番ハ長調Op.2-3
ピアノ・ソナタ第19番ト短調Op.49-1
ピアノ・ソナタ第20番ト長調Op.49-2

Disc2
ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調Op.7
ピアノ・ソナタ第5番ハ短調Op.10-1
ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調Op.10-2
ピアノ・ソナタ第7番ニ長調Op.10-3

Disc3
ピアノ・ソナタ第8番
 ハ短調Op.13「悲愴」
ピアノ・ソナタ第9番ホ長調Op.14-1
ピアノ・ソナタ第10番ト長調Op.14-2
ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調Op.22

Disc4
ピアノ・ソナタ第12番変イ長調Op.26
ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調Op.27-1
ピアノ・ソナタ第14番
 嬰ハ短調Op.27-2「月光」
ピアノ・ソナタ第15番
 ニ長調Op.28「田園」

Disc5
ピアノ・ソナタ第16番ト長調Op.31-1
ピアノ・ソナタ第17番
 ニ短調Op.31-2「テンペスト」
ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調Op.31-3

Disc6
ピアノ・ソナタ第21番
 ハ長調Op.53「ワルトシュタイン」
ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調Op.54
ピアノ・ソナタ第23番
 ヘ短調Op.57「熱情」
ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調Op.78
ピアノ・ソナタ第25番ト長調Op.79

Disc7
ピアノ・ソナタ第26番
 変ホ長調Op.81a「告別」
ピアノ・ソナタ第27番ホ短調Op.90
ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調
 Op.106「ハンマークラヴィーア」

Disc8
ピアノ・ソナタ第28番イ長調Op.101
ピアノ・ナタ第30番ホ長調Op.109
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111

Disc9
3つの選帝候ソナタWoO.47
ソナチネの2楽章WoO.50
2つのソナチネAnh.5
2つの作品(オルフィカ)
やさしいソナタWoO.51

Beethoven: The Complete Sonatas

素晴らしいと思いました。
音がモダンピアノとは全然異なります。
ピリオド楽器は「音の消え方」が
重要なのだと感じました。
音が余韻を残さないため、
次の音とのかぶりが少なく、
一音一音がはっきりと聞こえます。
ベートーヴェンの構築した音の姿が、
極めて明晰に立ち現れるのです。

そしてそれがブラウティハムの演奏を
引き立てているのでしょう。
ベートーヴェンの創り上げた
細かいパッセージも、
正確に弾きこなしているのが
素人の耳にもよくわかるのです。
フォルテピアノの音は
タッチが敏感に影響しているのです。
ブラウティハムの技巧を最大限に
引き立たせているのだと感じます。

「月光」や「ワルトシュタイン」といった
有名曲だけではありません。
1枚目のOp.2の3曲・第1~3番や、
Op.49の第19・20番といった
比較的地味な曲まで
素敵に響いてくるのです。
ベートーヴェンのピアノソナタを
再発見したような気分です。

困ったことになりました。
ベートーヴェンのピアノソナタは、
バックハウスの古典的な演奏、
グルダ盤、ケンプ盤、
バレンボイム盤、ブレンデル盤といった
名盤の誉れ高い演奏、
フレデリック・ギィ盤、
メロディ・チャオ盤、HJ.リム盤などの
新進気鋭の全集があれば、
もう十分だと思っていたのですが、
フォルテピアノまで考えるとなると、
あといくつ
購入しなければならないのか。

やはりクラシック音楽は
奥が深いと感じます。
ベートーヴェンのピアノソナタだけでも
これだけ魅力ある演奏が
存在しているのです。
もっともっとクラシック音楽を
楽しんでいきたいと思います。

(2020.11.21)

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