エステレ・レヴァーツ/バッハ&フレンズ
今にもチェロを
たたき壊そうとしているかのような
若いお姉さん。
この不思議なジャケットに魅力を感じ、
買ってしまったCDです。
お姉さんの名前はエステレ・レヴァーツ。
ネットの商品情報には「1989年、
スイス生まれのチェリスト。
すでに数々のコンクールに入賞し
国際的なキャリアを手にしています」と
あります。
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/11/2020.11.22-1.jpg?resize=640%2C480&ssl=1)
「バッハ&フレンズ」
エステレ・レヴァーツ(チェロ)
・BWV.1007~前奏曲
・ホリガー:COncErto?
・BWV.1007~アルマンド
・ダイヤー:カントゥス II
・BWV.1007~クーラント
・デュサパン:イマーゴ2
・BWV.1007~サラバンド
・ペンデレツキ:チェロのための組曲
~第1楽章 サラバンド
・BWV.1007~メヌエットI~II
・イサン:7つのエチュード
~第2番レッジェーロ
・BWV.1007~ジーグ
・サーリアホ:7羽の蝶々~第7曲
・BWV.1009~前奏曲
・ツィンマーマン:ショート・スタディ
~第1番
・BWV.1009~アルマンド
・ベリオ:言葉は消える
・BWV.1009~クーラント
・グバイドゥーリナ:10の前奏曲
~第1番スタッカート-レガート
・BWV.1009~サラバンド
・クルターグ:
チェロのためのサイン、
ゲーム、メッセージ – az hit
・BWV.1009~ブーレ I~II
・ルトスワフスキ:ザッヒャー変奏曲
・BWV.1009~ジーグ
・リゲティ:無伴奏チェロ・ソナタ
~第2楽章カプリッチョ
(2016年録音)
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/11/2020.11.22-2.jpg?resize=640%2C480&ssl=1)
バッハの無伴奏チェロ組曲
第1番と第3番に、
12人の現代音楽作曲家の作品を
挟み込み、一連の曲として
演奏するという変わり種です。
バッハにこんなことしていいの?という
疑問を感じながら聴きました。
でも聴き進めると納得です。
なるほど面白い試みです。
現代音楽と交互に
演奏されることにより、
バッハの音楽が古い衣装を脱ぎ捨て、
現代風のコスチュームで
颯爽と登場したような錯覚を覚えます。
バッハの音楽はこれほどまでに
普遍的なものだったのか!
バッハを再発見した気分です。
バッハの無伴奏チェロ組曲に
他の作曲家の独奏チェロ曲を
挿入するという試みは
すでにいくつか存在しています
(私もラーデマーカースが
演奏したものを所有しています)。
でもその多くは当盤のように
一曲の中の小曲に挟み込むのではなく、
曲と曲との間に挿入するものです。
そのためCD3枚組程度の
膨大な長さとなり、通
して聴くことが困難になるのです。
その意味でも当盤は魅力的です。
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/11/2020.11.22-3.jpg?resize=640%2C480&ssl=1)
無伴奏チェロ組曲の
第1番と第3番のみですが、
音楽の愉しさは存分に味わえました。
企画の面白さだけではなく、
彼女のチェロ自体が
十分に魅力的だからでしょう。
技能を判断する能力を
私は持ち合わせていませんが、
味わい深い音色を響かせていることは
理解できます。
できれば彼女の(企画ものではない)
本格的な演奏を聴いてみたい、と
思って調べたら、すでに
ベートーヴェン(第5番)、
ブラームス(第1番)、
R.シュトラウスのチェロ・ソナタを
組み合わせた盤が
リリースされていました。
こちらも近いうちに
聴いてみたいと思います。
(2020.11.22)