ハーン&リシッツァのアイヴス

アイヴスってこんなに素敵だったっけ?

ヴァイオリニストの
ヒラリー・ハーンの演奏が大好きで、
CDも協奏曲を中心に買い込んでいます。
しかしいくつかの室内楽アルバムは、
知らない作品が多く、
手を出していませんでした。
本盤もそうです。
アイヴス。
交響曲ならティルソン・トーマスが
指揮したものを
3枚ほど所有しているのですが、
曲自体があまり印象的ではなく、
ここ数年聴いていない状態です。
そんなアイヴスの
ヴァイオリン・ソナタ。
伴奏はリシッツァ。
さて、どんなものか?

チャールズ・アイヴズ
・ヴァイオリン・ソナタ第1番
・ヴァイオリン・ソナタ第2番
・ヴァイオリン・ソナタ第3番
・ヴァイオリン・ソナタ第4番

 ヒラリー・ハーン(Vn)
 ヴァレンティーナ・リシッツァ(P)
 2009年4月録音

よかったです。
アイヴスってこんなに素敵だったっけ?
他の演奏者のCDを持っていないため、
比較できずなんともいえないのですが、
洗練された印象を受けます。
無機質な現代音楽的旋律の部分は、
意味のある音のつながりとして
聴こえてくるし、
ところどころに潜んでいる
アメリカの田舎っぽい
民族音楽的なメロディは、
おしゃれな都会の音楽のように
聴こえてくるから不思議です。

ハーンの技巧の高さはもちろんですが、
伴奏のリシッツァも凄腕です。
二人の才能のぶつかり合いが、
このような洗練された音楽を
創り上げたのでしょう。
リシッツァについては
シューマンのアルバムを
持っているのですが、
そちらも素晴らしい演奏だったことを
忘れていました。
やはり無視できない演奏家です。

それにしても
昨日記事にしたコパチンスカヤにしても
このハーンにしても、
これまで大物演奏家が
取り上げてこなかった
現代作曲家の音楽を、
見事に形にしています。
こういう若い演奏家が
もっともっと登場してくると、
クラシック音楽の世界はさらに
魅力あるものになっていくのでしょう。

(2020.12.27)

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