アンサンブル・ラロのルーマニア狂詩曲

音によるルーマニア文化の旅

「ルーマニア」という国名から
何を思い出すか?
日本にとっては
あまりなじみのない国です。
せいぜい「ドラキュラ」、
あとは私のような50代の人間であれば
体操の「コマネチ」くらいでは
ないでしょうか。
でも、これからは当盤も
その中に入ってくるでしょう。
東欧を代表する作曲家・
エネスコとバルトークによる
「ルーマニア」にちなんだ
室内楽曲を集めた楽しいアルバムです。

「ルーマニア狂詩曲」アンサンブル・ラロ

エネスコ:ルーマニア狂詩曲イ長調
 (T.ウォリーによるピアノ四重奏編)
バルトーク:ハンガリーの風景第1番
 (ヴァイオリンとピアノ編)
エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ
 第3番イ短調 Op.25
バルトーク:
 2つのヴァイオリンのための
 二重奏曲BB104より
 (作曲者による2つのヴィオラ編)
バルトーク:ルーマニア民謡舞曲
 (ヴァイオリンとピアノ編)
エネスコ:夜想曲「ヴィル・ダヴレー」

ジル・アパップ(vn)
ダイアナ・ケトラー(p)
アンサンブル・ラロ
 シトコヴェツキー(vn)
 ポポヴィチ(va)
 ナス(va…客演)
 ヘーデンボルク(vc)
 ケトラー(p)

上の曲目紹介では省略しましたが、
エネスコのヴァイオリンソナタには
「ルーマニア民謡の特徴による」という
副題が付されていますし、
バルトークの二重奏曲集からは
「トランシルヴァニア舞曲」
「ルーマニアの渦巻き舞曲」等の、
これまたルーマニア関連の曲を
選び出しています。
音によるルーマニア文化の旅が
楽しめます。

さて、これだけ民族色豊かな曲ですので、
演奏もまた野趣あふれた
味わいがあるものとなっています。
ヴァイオリンの音色が
ジプシー・ヴァイオリンぽく
聞こえてきます。
ヴァイオリンだけでなく、
すべての楽器が
エネルギッシュに響き渡ります。
スタジオでのセッションで
録音されているため、
音も極めて鮮明で申し分ありません。

このアンサンブル・ラロという団体は、
調べてみると
日本でも何度か演奏会を開き、
好評を博しているとのことです。
チェロの
ベルンハルト・直樹・ヘーデンボルクは
スウェーデン人の父親と
日本人の母親を持っていて、
日本と縁のある方でした。
ウイーン・フィルで活躍しているほか、
ヴァイオリニストの
ヴィルフリート・和樹・ヘーデンボルク、
ピアニストの
ユリアン・洋・ヘーデンボルクとともに、
兄弟でヘーデンボルク・トリオとしても
活躍しているとのことでした。

楽しいCDに出会うことができました。
こちらもAmazonの最後の一枚価格
508円で購入。
コスパが良すぎです。

※レーベルによる紹介映像が
 公開されていました。

(2021.1.23)

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