ソニア・ヴィーダー=アサートンの「little girl blue」

これはクラシック?それともジャズ?

正体不明のCDを購入するのは、
スリリングな楽しみがあります。
当盤もそうした一枚です。
中古CDショップでジャケ買いしました。
謎に満ちたジャケットにセンスがあり、
しかもデジパック!
(私はデジパック・フェチです)。
家に持ち帰り、聴いてみました。
これは一体クラシック?
それともジャズ?
クラシックCD専門店で
購入したのですから
クラシックに間違いないのですが、
そのときは正体不明でした。

「little girl blue from nina simone」
ソニア・ヴィーダー=アサートン

black swann
black is the colour of
  my true love’s hair
little girl blue
fodder on my wings
hey buddy bolden
images
Brahms-bach: schmucke dich,
  o liebe seele, op. 122 no. 5
you can have him
I wish I knew how it
  would feel to be free
that’ s all I want from you
brown baby
stars
Rachmaninoff: Sonata in g minor,
  Op. 19 (andante)
come ye
return home
 ソニア・ヴィーダー=アサートン(vc)
 ブルーノ・フォンテーヌ(p)
 ローラン・クレフ(perc)
 録音:2014年4月

後から調べてわかりました。
2003年に他界した、
独特な歌声で世界を魅了した
ジャズ歌手・ニーナ・シモンを偲んで、
チェロ奏者・
ソニア・ヴィーダー=アサートンが
制作した
オマージュ・アルバムだったのでした。
チェロ・ピアノ・パーカッションという、
ジャズのピアノ・トリオ風の編成で
臨んだこのアルバム。
クラシックの匂いもすれば
ジャズの香りがするのも、
当然といえば当然でした。

ニーナ・シモンという
ジャズ歌手のことについては、
ジャズ・ボーカルに疎い私には
一切わかりません。
しかし、このアルバムを聴く限り、
ジャズの哀愁漂う雰囲気が
ひしひしと伝わってくるものであり、
ニーナ・シモンが
どのような歌い手であり、
それをヴィーダー=アサートンが
どのように敬愛していたかは
自然と理解できます。

哀しみを湛えたチェロの音が
響き渡ります。
収録されている曲が
すべて未知であっても、
音楽を十分に味わうことが可能です。
夜、一人静かに内省にふけりながら
聴くべきアルバムです。
ぜひお試しあれ。

※例によってYouTubeで
 映像が公開されていました。

(2021.1.31)

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