コパチンスカヤのシェーンベルク

なぜヴァイオリニストがこの曲を!?

あのキレッキレのヴァイオリンの
コパチンスカヤが、
今度は何と声で登場!
買ってしまいました。
アルファ・レーベルに移籍してから、
ますますアヴァンギャルドな方向へ
まっしぐらでしたが、
ついにここまで来たかという感じです。

シェーンベルク:月に憑かれたピエロ
コパチンスカヤ

シェーンベルク:
 月に憑かれたピエロ
ヨハン・シュトラウス2世:
 皇帝円舞曲(シェーンベルク編)
シェーンベルク:
 vnとpのための幻想曲
ヴェーベルン:
 vnとpのための4つの小品
クライスラー:
 ウィーン小行進曲(vn,cl,vc,p)
シェーンベルク:
 6つの小さなピアノ曲

パトリツィア・コパチンスカヤ(声・vn)
ミーサン・ホン(vn,va)
ジュリア・ガレゴ(fl)
レト・ビエリ(cl)
マルコ・ミレンコヴィチ(va)
トーマス・カウフマン(vc)
ヨーナス・アホネン(p)
録音:2019年

この「月に憑かれたピエロ」は、
ジャンルとしては「声楽曲」に
分類されることが多く、
本来、ソプラノ歌手が
「語るように歌」っています。
しかしほとんど語っているようにしか
聞こえません。
だから歌手でなくても
構わないのですが、
なぜヴァイオリニストが!?
そんな疑問を感じていてはいけません。
ありのままを受け入れましょう。

何度も繰り返して聴くような
楽曲ではありませんが、
コパチンスカヤがいかにも愉しそうに
「語って」いるので、
ついつい連続再生してしまいました。
そうすると、
なんとなくこれらの作品集が、
一つの連続したストーリーのようにも
感じられるので不思議です。

ただ、やはりコパチンスカヤの
本格的な協奏曲演奏、
例えばブラームスやシベリウスなどを
聴いてみたいという気持ちは
ますます強くなりました。
いや、室内楽でもいいのです。
プロコフィエフの
ヴァイオリン・ソナタあたり
演奏してくれないものでしょうか。
彼女の感性は、
そんな枠組みの中にはもはや
収まらなくなっているのでしょうか。

なお、本CDのジャケットは、
ハードカバーのブック使用。
ゴージャスではあるのですが、
CDを取り出すと、録音面に
傷がついてしまうのが難点です。
以前出されたアルバム「TAKE TWO」も
同様でした。
メーカーに
改善を要求したいところです。

※YouTubeでインタビュー映像が
 アップされています。

コメントを残す