レオンスカヤのチャイコフスキー・ピアノ協奏曲全集

レオンスカヤ盤は第2番がとても美しい

チャイコフスキーの
ピアノ協奏曲が好きで、
それも第1番だけでなく、
2番3番も好きな私です。
ところが2番3番も含めた全集は
なかなかないのです。
先日ようやく手に入れた
このレオンスカヤ盤は貴重な一組です。

チャイコフスキー「ピアノ協奏曲全集」

チャイコフスキー:
 ピアノ協奏曲第1番変ロ短調op.23
 協奏的幻想曲ト長調op.56
 ピアノ協奏曲第2番ト長調op.44
 ピアノ協奏曲第3番変ホ長調op.75
ニューヨーク・フィルハーモニック
クルト・マズア(指揮)
エリーザベト・レオンスカヤ(p)
録音:1992~96年

第1番から素敵です。
第1番については
アルゲリッチ/アバド盤、
リヒテル/カラヤン盤、
ポゴレリチ/アバド盤などを
愛聴していますが、
それらに匹敵するくらい
チャーミングな演奏です。
特に第2楽章でのレオンスカヤの
ピアノの美しさが聴きどころでしょう。

でも、それ以上に素敵なのが第2番です。
このレオンスカヤ盤は
第2番がとても美しい演奏だと思います。
第2番は録音が少なく、
私は当盤以外ではギレリス盤、
ドノホー盤、ポンティ盤しか
所有していないのですが、
それらよりピアノが
華やかに聴こえてきます。
レオンスカヤの力強いタッチが、
チャイコフスキーの曲想と
マッチしているからでしょう。
非常に長い展開部も
まったく飽きさせずに
聴かせてくれます。

いつも思うのですが、
この第2番が軽視されているような
気がします。
新しい録音が少なすぎます。
第1番があまりにも
有名すぎるからでしょうか。
この第2番、
そして単一楽章で遺作となった第3番、
全2楽章で演奏時間も約30分を要する
協奏的幻想曲は、
もっと幅広く演奏されてしかるべき
作品かと考えます。

単独のものではなく、
チャイコフスキー・ピアノ協奏曲全集を
もっと聴いてみたいと思っています。
プレトニョフ盤やヤブロンスキー盤が
廃盤になっているのが残念です。
このレオンスカヤ盤と同じように、
中古を探してみたいと思います。

(2021.5.3)

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