ウイーン少年合唱団vsテルツ少年合唱団

児童合唱団の歌声は素敵です。

児童合唱団の歌声は素敵です。
歌唱の技術は
この際問題ではありません。
大人には絶対に出せない
清々しい歌声の魅力は、
得てして聴く者の心を揺さぶります。
先日来取り上げている
60枚組のCD-BOX
vivarte 60CD collection」には、
CD3枚に、少年合唱団による演奏が
収録されています。それも
ウイーン少年合唱団
テルツ少年合唱団です。

「シューベルト:ミサ曲集」

シューベルト:
 ミサ曲第5番変イ長調D.678(第2版)
 ドイツ・ミサ曲D.872
ブルーノ・ヴァイル(指揮)
ウィーン少年合唱団(合唱)
コルス・ヴィエネンシス(合唱)
エイジ・オブ・インライトゥメント管
ウィーン少年合唱団員(B-Sp&B-A)
イェルク・ヘリンク(T)
ハリー・ファン・デル・カンプ(B)

まずはウイーン少年合唱団です。
ヴァイルとエイジ・オブ・
エンライトゥンメント管は、
シューベルトのミサ曲を
全曲録音していますが、
そのすべてにウイーン少年合唱団が
参加しています。
その一枚であるこの演奏は、
ウイーン少年合唱団の歌声の美しさが
最も効果的に表れていると感じます。
まさに「天使の歌声」です。

「モーツァルト:ミサ・ロンガ」

モーツァルト:
 ミサ曲ハ長調「ミサ・ロンガ」K.262
 オッフェルトリウムK.72
 テ・デウム・ラウダムスK.141
 オッフェルトリウムK.260
 レジナ・チェリ(天の元后)K.276
 アヴェ・ヴェルム・コルプスK.618
シュミット=ガーデン(指揮)
テルツ少年合唱団
ヨーロッパ・バロック・ソロイスツ

「ランドン版レクィエム」

モーツァルト:
 レクィエムK.626
 (ロビンズ・ランドン校訂版)
マリーナ・ウレヴィッツ(Sp)
バルバラ・ヘルツル(Ms)
イェルク・ヘリング(T)
ハリー・ファン・デル・カンプ(B)
ブルーノ・ヴァイル(指揮)
テルツ少年合唱団
ターフェルムジーク・バロック管

続いて
テルツ少年合唱団の演奏2枚です。
「ミサ・ロンガ」では、
合唱だけではなくソリストも
ボーイ・ソプラノを起用しています。
すべてが清澄とした響きの中で
完結していきます。
これも素敵な一枚です。

「レクィエム」ではさすがにソリストは
大人を起用していますが、
それによってテルツ少年合唱団の
美しさが一層引き立っています。
まるで天使たちを背後に従えて
ソリストたちが
歌っているかのようです。
かつての重厚なレクィエム演奏とは
まったく異なる印象を受けます。
それでいて
決して軽くなってはいません。
第5曲レックス・トレメンデなどは
十分な緊張感に満ちています。

3枚が3枚とも素敵な演奏です。
録音も少年合唱の美しさを
余すところなく捉えています。
ウイーン少年合唱団のシューベルト
vsテルツ少年合唱団のモーツァルトの
対決でしたが、
両者ともに素晴らしく、
引き分けです。

※テルツ少年合唱団はもう一組
 「ハイドン:天地創造」にも
 参加しています。
 こちらは少年合唱の魅力以外の
 部分が大きく、
 後日取り上げたいと思います。

(2021.6.4)

【当盤鑑賞に最適のSAKE】

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