ラルキブデッリのモーツァルト室内楽

とにかく愉しい気分にさせてくれる3枚です

このところずっと聴いている
60枚組のCD-BOX
「vivarte 60CD collection」
その中でも素敵な室内楽録音を
収録しているのがラルキブデッリです。
バロック・チェロの名手
アンナー・ビルスマが中心となって
結成されたアンサンブルであり、
ピリオド・アプローチならではの
澄んだ響きが特徴です。特にこの
モーツァルトの3枚が絶品です。

「モーツァルト:
 ディヴェルティメント第10&17番」

モーツァルト:
 ディヴェルティメント
  第10番ヘ長調K.247
 ディヴェルティメント
  第17番ニ長調K.334」

ラルキブデッリ
 ヴェラ・ベス(Vn)
 ルシー・ファン・ダール(vn)
 ユルゲン・クスマウル(va)
 アンナー・ビルスマ(vc)
 アブ・コスター(hr)
 クヌート・ハッセルマン(hr)
録音:1990年

弦楽と2つのホルンのための
ディヴェルティメント2曲が
収められています。
この2曲は弦楽合奏で
演奏されることが多いのですが、
本盤は弦楽四重奏で演奏されています。
両曲とも
弦楽合奏よりも輪郭が明瞭であり、
すっきりとしています。
モーツァルトらしい
軽快な音楽が愉しめます。

「モーツァルト:
 弦楽三重奏のディヴェルティメント」

モーツァルト:
 ディヴェルティメント
  (弦楽三重奏曲)変ホ長調 K.563
 アダージョとフーガ ホ短調
  K.404a 第6番(原曲:W.F.バッハ)
 アダージョとフーガ ニ短調
  K.404a 第1番(原曲:J.S.バッハ)
 アダージョとフーガ ト短調
  K.404a 第2番(原曲:J.S.バッハ)
 アダージョとフーガ ホ長調
  K.404a 第3番(原曲:J.S.バッハ)

ラルキブデッリ
 ヴェラ・ベス(vn)
 ユルゲン・クスマウル(va)
 アンナー・ビルスマ(vc)
録音:1990年

モーツァルト晩年の傑作と言われている
ディヴェルティメントK.563、
そしてやや珍しい作品である
4曲の「アダージョとフーガ」を
収録しています。
「アダージョとフーガ」は
「W.F.バッハ」の作品と
「J.S.バッハ」の平均律を
モーツァルトが編曲したものです。
弦楽三重奏という小編成である分、
派手さはないものの
聴き心地の良いチャーミングな曲が
連続します。

「モーツァルト:
 クラリネットのための室内楽作品集」

モーツァルト:
 cl五重奏曲イ長調K.581
 cl四重奏曲変ロ長調
  (vnソナタK.378による)
 cl三重奏曲変ホ長調K.498
  「ケーゲルシュタット・トリオ」

チャールズ・ナイディック(cl)
ラルキブデッリ
 ヴェラ・ベス(vn)
 ルシー・ファン・ダール(vn)
 ユルゲン・クスマウル(va)
 アンナー・ビルスマ(vc)
ロバート・レヴィン(fp)
録音:1992年

クラリネット五重奏曲、四重奏曲、
三重奏曲が収録されています。
時代楽器アンサンブル・
ラルキブデッリとの
組み合わせですので、
当然クラリネットとピアノも
時代楽器となっています。
バセットクラリネットは
名手チャールズ・ナイディック、
フォルテピアノはロバート・レヴィン、
どちらも名だたる演奏家です。
ややくすんだような音色の
バセットクラリネットは、
モーツァルトのクラリネット五重奏曲の
ファンの間では
好き嫌いが分かれるかもしれませんが、
聴き慣れれば
愉しく聴くことができます。

とにかく愉しい気分にさせてくれる
3枚です。
ラルキブデッリによる
モーツァルト演奏は
これ以外にもあります。
そちらもぜひ
聴いてみたいと思いますが、
まずはこの3枚を
十分に味わい尽くしたいと思います。

(2021.7.10)

【当盤鑑賞に最適のSAKE】

【関連記事】

※いい音で音楽を

コメントを残す