オルガン音楽は多様な花を咲かせていた

レオンハルトのオルガン

実はオルガンという楽器の音は
大好きなのですが、
これまでバッハしか
聴いたことがありませんでした。
コープマンの演奏した
バッハオルガン曲全集
CD16枚組を聴き、
これがあればあとはいいのではないかと
思い込んでいました。
先日からCD-BOX
「vivarte 60CD collection」
聴き込んでいるのですが、
この2枚のレオンハルト
オルガン演奏に魅せられています。

「北ドイツのオルガン作品集」
 グスタフ・レオンハルト

ローレンス:
 プレルーディウム ニ短調
作者不詳:
 愛神のアルマンド
シュトルンク:
 我を汝がものとなし
  ~ああ主よ,哀れなる罪人の我を
モールハルト:
 深き苦しみの淵より,我汝を呼ぶ
ヴェックマン:
 羊を牧したルシドルは
作者不詳:
 「ダフネ」による3つの変奏曲
 優しい風が林をふるわせ
シルト:
 「火のごとく」による3つの変奏曲
シャイデマン:
 ガリアルダ ニ短調
 プレルーディウム ヘ長調
シュトルンク:
 マニフィカト「わが魂は主を崇め」に
  よる3つの変奏曲
ラインケン:
 フーガ ト短調
ヴェックマン:
 カンツォーナ ハ短調
ベーム:
 「天にまします我らの父よ」による
  2つの変奏曲
リッター:
 ソナティーナ ニ短調

グスタフ・レオンハルト(org)
録音:1992年

「フランスと南オランダのオルガン」
 グスタフ・レオンハルト

ボワヴァン:
 第1旋法の組曲
ギラン:
 第2旋法の組曲
クリーガー:
 パッサカリア ニ短調
ケルクホーヴェン:
 ファンタジア ニ短調
 ファンタジア ヘ長調
ケルル:
 カンツォーナ ホ短調
ライトン:
 フーガ・スアヴィッシマ ト長調
フローベルガー:
 聖体奉挙のための
  トッカータ第5番ニ短調
 カプリッチョ第2番イ短調
 カンツォーナ第6番イ調
ショーモン:
 第2旋法の組曲ト調

グスタフ・レオンハルト(org)
録音:1994年

両盤ともバッハとは異なる
(当たり前ですが)旋律が新鮮でした。
すべて聴いたことのない名前ですが、
バッハ以前の作曲家たちでした。
これら多様なオルガン音楽の萌芽が
バッハの音楽へと
結実していったのでしょう。

これらの作曲家たちは、
多くが17世紀に活躍しています。
調べてみると、この時期、
ドイツやオランダを中心に、
教会のオルガン音楽が
発展したようです。なんでも
プロテスタント最大の教派である
ルター派の礼拝において
音楽が重要視され、
多くの教会にオルガンが
建造されたということでした。
当然、オルガン製作者が増え、
オルガン音楽の作曲家が増え、
オルガン音楽が発展していったと
いうことなのでしょう。
オルガン音楽の隆盛は、
マルティン・ルターが
もたらしたともいえるのです。

ネット・ショップで
オルガン曲のCDを探すと、
どうしてもバッハばかりが目立ちます。
それもヴァルヒャ、
リヒター、アランといった
往年の巨匠たちのCDばかりが
いまだに幅をきかせているので、
コープマンのバッハ全集があればいいと
思い込んでいたのです。
オルガンはもっと多様な花を
咲かせていたことに気づきました。
これから少しずつ
探していきたいと思っています。

それにしても、
30年間クラシック音楽を
聴き続けてきたにもかかわらず、
まだ新しい音楽と出会えるのですから
幸せです。
やはり音楽の森は広く深いのだと
感じました。

(2021.7.17)

【当盤鑑賞に最適のSAKE】

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