「グレゴリアン・チャントの神髄」を聴く

その荘厳さがじわじわと心にしみこんでくる

先日購入したCD-BOX
vivarte 60CD collection Vol.2
ですが、古楽レーベルの
ボックスとはいえ、約半数は
モーツァルト以後の作曲家の曲です。
純粋な「古楽」ものは残り半数なのです。
そこでもっとも「古楽」っぽいものは
どれかと探したら、
この一組にたどり着きます。
「グレゴリアン・チャントの神髄」です。

vivarte 60CD collection Vol.2

「グレゴリアン・チャントの神髄」

Quintessence of Chant

天よ、露をしたたらせよ
見よ、処女が身ごもりり
来たり給え、人々の贖い主よ
来たり給え、おお、英知よ
主における喜びで
いと高き方の御子が今日生まれ給えり/
 幼な子がわれらに生まれたり
生まれ給いし
 主なる御子に向かいて歌わん
今日キリストが生まれ給えり
 (マニフィカト)
シュタードルマイヤー:
 ベツレヘムに生まれし幼な子
栄光と讃歌と誉れとが
されど賞賛はわれらのつとめなり
真の愛がありしところに
さて安息日が終わり
われ、よみがえりて、
 なお御身と共にあり
主よ、あわれみ給え
過越のいけにえに賞賛を
アレルヤ(詩篇第117(116)番)
バーミンガー:
 キリストは今日よみがえりたり
アレルヤ、主の霊は(詩篇第95(94)番)
主の聖霊は
聖霊よ、来たり給え
にわかに天より音が聞こえたり
 (詩篇第68(67)番)
創り主なる聖霊よ、来たり給え
慰め主たる聖霊よ
今日5旬節の日が(マニフィカト)
ロート:聖霊の恩寵が
主の天使は告げ給えり
 (アヴェ・マリア)
われら御身の保護のもとに
主はこの処女に遣わし給いぬ
軍勢は天に住み給いぬみな、
 主のうちに喜ばん
一致した喜びで
めでたし、海の星
いと賢き処女(マニフィカト)
御恵みの母なるマリア
ロレトの連祷(聖母マリアの連祷)

ニーダーアルタイヒ・スコラーレン
コンラート・ルーラント(指揮)
録音:1995年

CD2枚分、演奏時間約2時間です。
先日取り上げた
「聖母マリアの生涯」同様、
ルーラント指揮
ニーダーアルタイヒ・スコラーレンが
透明感のある
美しい演奏を披露しています。
このグレゴリオ聖歌から
多種多様な西洋音楽が
進化してきたのですから、
まさに音楽の源流といえます。

ただ、2枚組を通して聴くのは
やや疲れます。
聴き飽きるのではありません。
それぞれの曲の特徴がつかめないのと、
曲と曲の関連や位置づけが
理解できていないためです。
音楽をきちんと楽しむためには、
ある程度の「勉強」が必要です。
これから少しずつ
調べていきたいと思います。

たしか「グレゴリオ聖歌」は
単旋律であると理解していたのですが、
本盤の演奏はところどころに
ポリフォニーが聴き取れます。
こうしたあたりも
正しい知識があれば
正しく音楽を体感できるのであり、
不勉強を恥じているところです。

当盤鑑賞に最適のSAKE

1990年代に、
こうした「グレゴリオ聖歌」のCDが、
世界中で大ブームになったことを
ふと思い出しました。
クラシック音楽にもキリスト教にも
縁がなかった人たちが、
ヒーリング・ミュージック、もしくは
「眠れない夜のための音楽」として
聴いていたかと思います。
くだらないブームに過ぎないと、
私はそのとき、
まったく無視していました。
(録音年から考えると、
当盤もそうしたブームに乗って
製作されたものかもしれません。)

それから四半世紀が過ぎ、
自ら求めてグレゴリオ聖歌を聴こうとは
思いもよりませんでした。
じっくり耳を傾けると、
その荘厳さがじわじわと
心にしみこんでくるかのようです。
こうした音楽を「眠りのため」に使うのは
どうかと思います。
じっくり聴き込んで、
その良さを確かめるべきでしょう。

(2021.8.7)

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