ウエルガス・アンサンブルによる中世の音楽
一枚一枚じっくりと聴き進んでいる
「vivarte 60CD collection Vol.2」。
60枚のCDの中で、
もっとも古い時代である
「中世の音楽」に相当するものは4枚。
以前取り上げたルーラントによる
「聖母マリアの生涯」
「グレゴリアン・チャントの神髄」の
2枚に加え、
ウエルガス・アンサンブルによる演奏の
この2枚です。
「ラス・ウエルガスの写本
(13世紀スペインの音楽)」
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2021/09/2021.09.11-1.jpg?resize=640%2C480&ssl=1)
・輝かしき血統より生まれし
・誰しも皆、十字架にかからむ
・おお、マリア、海の星
・臨終の血より
・あまねく知られたるベリアル
・サンクトゥス
・アニュス・デイ
・ベネディカム・ドミノ
・南風は穏やかに吹く
・いざ、信徒らの御母よ
・誰がわが頭に
・けがれなきカトリック教徒よ
・哀れなる人よ
ウエルガス・アンサンブル
パウル・ヴァン・ネーヴェル(指揮)
録音:1992年
サンタ・マリア・デ・ラス・ウエルガス
修道院(スペイン)に伝わる写本を、
指揮者・ネーヴェルが
20年の歳月をかけて読み解いたという
音楽です。
モノフォニーの典礼音楽の世界が、
清く澄み渡り、
爽やかな感動が広がります。
「ニコシアの宮廷音楽」
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2021/09/2021.09.11-2.jpg?resize=640%2C480&ssl=1)
・永遠に聖なるかな/
聖なるかな、生来の
・私の心がとても甘美に
ため息をつくのを私は感じる
・私はすっかり愛に満たされている
・私は愛の糧を受ける
・グローリア
・確かにそれは/
私たちは力を込めて愛し
・私はある貴婦人に喜びを見出す
・クレド
・心地よき音楽が響かんことを
・愛はこんなにも
甘美に私を苦しませるのだから/
本当の恋人なら
ウエルガス・アンサンブル
パウル・ヴァン・ネーヴェル(指揮)
録音:1993年
こちらは解説によると、
「中世末期、ギリシアのキプロス島で
栄えたキプロス王国、その宮廷内で
演奏された音楽を復活させたもの」
なのだそうです。
「ラス・ウエルガスの写本」とは異なり、
ポリフォニー音楽です。
清らかでありながらも、
ところどころに特徴的な旋律や
独特のリズムがあり、刺激的です。
2枚とも初めて聴く音楽でしたが、
十分に愉しむことができました。
特に「ニコシアの宮廷音楽」は
味わい深い一枚です。
ウエルガス・アンサンブルによる
精緻な演奏が、
中世の音楽の持つ魅力を
最大限に引き出していると思われます。
やはり「vivarte 60CD collection」は
宝箱のようなCD-BOXです。
素敵な音楽世界が広がっていきます。
(2021.9.11)
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