サン・ロッコの饗宴~ヴェネツィア1608年

バロック最初期の輝かしい音楽たち

vivarte 60CD collection Vol.2」の
中でも特に聴き応えのあった一組が
この「サン・ロッコの饗宴
~ヴェネツィア1608年」でした。
冒頭のブラス・アンサンブルから始まり、
弦楽アンサンブルや声楽曲・歌曲が
色とりどりにちりばめられ、
多様な音楽を聴くことができます。

「サン・ロッコの饗宴
  ~ヴェネツィア1608年」

ガブリエリ:
 トッカータ
 ラッパを吹き鳴らせ、新月に
 カンツォーナ第17番
 甘美なイエス、父の御姿よ
 エコーのカンツォーナ
 恐れとわななきが
 3つのヴァイオリンのためのソナタ
 ソナタ第19番
 教会において
 カンツォーナ第5番
 神に向かって喜びの叫びをあげよ
 ソナタ第18番
 主に向かって歌え
 第1旋法のカンツォーナ
 あなたの慈しみは、主よ
 カンツォーナ第10番
 第1旋法のトッカータ
 マニフィカト
 あなたが誉められた主である
グランディ:
 ああ、なぜあなたは泣くのか
 おお、あなたはなんと美しいことか
 わたしたちは主に向かって歌う
 我を救いたまえ
チーマ:
 コルネットと
  トロンボーンのためのソナタ
 ヴァイオリン、コルネットおよび
  ヴィオローネのためのソナタ
 ヴァイオリンと
  ヴィオローネのためのソナタ
バルバリーノ:
 おお、聖なる宴よ
モンテヴェルディ:
 めでたし、元后
カスタルディ:
 「利口者」と
  名付けられたるカプリッチョ
ラ・カペラ・ドゥカーレ
ムジカ・フィアタ・ケルン
ローランド・ウィルソン(指揮)
録音:1994年

浅学な私には
よく理解できませんでしたが、
「サン・ロッコ」とは、イタリア北東部、
ベネト州の都市ベネチアにある
ルネサンス様式の建築物
サン・ロッコ教会」のことです。
そのサン・ロッコ教会で
1608年に執り行われた
「サン・ロッコの祝典」を
再現したものということでした。
1608年という時期は、
ルネサンスから移り変わったばかりの
バロック最初期です。
その時代にすでに音楽は、
このような輝かしいものとして
完成していたことに、
まずは驚かされます。
きわめて荘厳な音楽が
綴られていきます。

もっとも多くの音楽が収録されている
作曲家・ジョヴァンニ・ガブリエリは、
イタリアの作曲家であり
オルガニストです。当時
最も影響力のあった音楽家といわれ、
ルネサンス音楽からバロック音楽への
過渡期を代表する存在だったようです。
サン・ロッコ教会とも
強いつながりを持ち、
その声楽家や器楽奏者たちとも
共演していたため、
「サン・ロッコの祝典」はこのような
プログラムとなったのでしょう。

モーツァルトやバッハ以前に、
このような素敵な音楽が
存在していたのです。
これまで古楽を無視してきたのは
愚かなことだったと
思い知らされました。
音盤の愉しみは尽きません。

(2021.10.9)

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2件のコメント

  1. 僕も去年にこのボックスセットのCDを購入しまして、筆者様と同じく、その中でも特に印象的で良かったのが、この2枚組の「サン・ロッコの饗宴」でした。

    種々の作曲家の様々な作品を混成した音楽アルバムは、コンピレイションアルバムと言うのでしょうか。
    聴いていて本当に良かったです。正に当時の音楽の饗宴でした。

    僕はこの2枚組のアルバムを特に気に入ってしまい、折に触れる毎に取り出して聴いています。

    1. 伊熊 様
      こんばんは。
      コメントありがとうございます。
      クラシックを聴き始めてから30年、
      ようやく古楽に足を踏み入れ、
      その音楽の多様性に心を奪われております。
      まだまだ勉強しながらであり、
      「サン・ロッコの饗宴」にしても
      その魅力を
      十全には理解していない私ですが、
      その魅力は
      十分に愉しんでいきたいと考えております。
      これからもどうぞ
      よろしくお願い致します。

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