リーズ・ド・ラ・サールの素敵なアルバム

リーズの情感に溢れたピアノを味わうべし

クラシック界では才能ある若い美人の
アーティストが多数活躍しています。
ピアニストでは
アリス=紗良・オットやユジャ・ワンが
大手のDGレーベルから
CDを発表している関係で
注目が集まっていますが、
このリーズ・ド・ラ・サールを
忘れてはいけません。
NAIVEというセンスのよい
レーベルから数点録音が出ていますが、
これらが悉く素晴らしいのです。
今回、大手SONYから発表、
素敵なアルバムとなっています。

「PARIS-MOSCOU」

フォーレ:
 パヴァーヌ op.50
 vcとpのためのエレジー op.24
サン=サーンス:
 歌劇「サムソンとデリラ」より
  「あなたの声で心は開く」
フォーレ:
 シシリエンヌ op.78
 子守歌 op.16
 蝶々 op.77
マスネ:
 歌劇「ウェルテル」より
  「春風よ、なぜ私を目覚ますのか」
ストラヴィンスキー:
 歌劇「マヴラ」より「ロシアの歌」
ラフマニノフ:
 チェロ・ソナタ ト短調 op.19
プロコフィエフ:
 「3つのオレンジへの恋」より
  「行進曲」
リムスキー=コルサコフ:
 熊蜂の飛行

クリスチャン=ピエール・ラ・マルカ(vc)
リーズ・ドゥ・ラ・サール(p)
カミーユ・ベルトー(vo)
録音:2017年

タイトルと曲目が示す通り、
フランスとロシアの
チェロとピアノによる
デュオ作品集です。
最近は聴いたことのない曲だけで
CD1枚を編み上げるアーティストが
多いのですが、
本盤の半分はメジャーな曲の
チョイスであり、
聴きやすい構成となっています。
特に前半部はフォーレなどの
なじみ深い作品ばかりであり、
安心して聴くことができます。
4曲目の「シシリエンヌ」などは、
これまで聴いた中でも
最高のものだと思います。
チェロとピアノの息が
がっちりと合っている演奏です。

ただ本盤の場合、主役はチェロであり、
リーズのピアノは伴奏に過ぎません。
それでいながら
情感に溢れたピアノの音色は、
リーズの持ち味が十全に
発揮されたものとなっています。

最後に収められた「熊蜂の飛行」が、
どのようなコンセプトで
織り込まれたのかわかりませんが、
ヴォーカルのカミーユ・ベルトーが
いい味わいを醸し出しています。
この1曲だけ、本盤の構成から
浮き上がっているようにも
感じるのですが、
聴いていて愉しい限りです。

彼女のCDはすでに9組所有していて、
そのすべてが素晴らしい演奏だと
感じています。
ただ、協奏曲のアルバムが少ないのが
残念なところです。
ラフマニノフのピアノ協奏曲全集が
素晴らしかったので、
ラヴェルチャイコフスキーにも
期待したいところです。
やはり、音盤は愉し、です。

(2021.10.31)

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