カバレフスキーのピアノ協奏曲

素敵な音楽が流れてきて驚きました

CD棚を探していたら
出てきた一枚です。
カバレフスキーなどという
マニアックな作曲家。
ヴァイオリン協奏曲はシャハムの盤で
持っているのですが、ピアノ協奏曲?
こんなものをいつ買ったのか?
そしていつ聴いたのか?
まったく記憶のないまま
再生機にかけてみました。そしたら
素敵な音楽が流れてきて驚きました。

「カバレフスキー:ピアノ協奏曲」

カバレフスキー:
 ピアノ協奏曲第1番
 ピアノ協奏曲第2番

パン・インジュ(p)
ロシア・フィルハーモニー管弦楽団
ドミトリ・ヤブロンスキー(指揮)

第1番はわかりやすいメロディが
そこここに現れる、
叙情的な作品と感じました。
ラフマニノフの雰囲気に似ていると
いえばいいのでしょうか。
それでいてピアノの独奏場面には
プロコフィエフ風の
技巧が要求されるような部分が
見つかります。
そして終楽章の堂々とした盛り上がりは
いかにもロシア的(ソ連的)な
印象をもたらします。

第2番にも面白さを感じます。
第2楽章に漂う暗さと悲壮感は、
ショスタコーヴィチを連想させます
(ショスタコーヴィチのように
刺激的ではありませんが)。
そしてやはり終楽章での盛り上がりも
見事です。

カバレフスキーのピアノ協奏曲は
4曲あり、その中では第3番が
比較的有名だということですが、
どうしてどうして第1番第2番も
十分に愉しめます。
しかしながらCDは本盤のほかは
シャンドス・レーベルから出されている
ストット盤と
cpoレーベルからのコルスティック盤
(どちらも全集となっている)しか
見当たりません。
埋もれたままであるのは
もったいないかぎりです。

比較ができないので
何ともいえませんが、
パン・インジュは
癖のないきっちり弾ききるタイプの
ピアニストであり、
作品の全容を知る上では
適切な演奏を行っています。
ヤブロンスキーの指揮、
ロシア・フィルの演奏も、
作品そのものに語らせようという
姿勢であり、好感が持てます。

加えて録音の良さが
素晴らしいと思います。
音が悪ければ
どんな曲、どんな演奏であっても
魅力は半減します。
音が良いからこそ
楽しんで聴くことができるのです。

愉しめる曲を新たに見つけるのは
気持ちの良いことです。
しかしこの盤を購入し、ずっと
愉しまないまま放置していたとは…
失敗でした。

残り2曲のピアノ協奏曲も
聴いてみたいと思いました。
ストット盤、コルスティック盤、
機会があればどちらかを
購入したいと思っています。

(2021.12.26)

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