リナ・トゥール・ボネに魅せられて

バロック・ヴァイオリンの奥深さ

バロック・ヴァイオリンの
リナ・トゥール・ボネに魅せられ、
また一枚ディスクを
購入してしまいました。
「美~17世紀のヴァイオリン作品集」
題された本盤は、
17世紀に活躍した11人の作曲家たちの
作品を集めたものです。
顔ぶれを見たとき、
あまりにも知らない作曲家ばかりで
敬遠していたのですが、
聴いてびっくり、
素敵な音楽の世界が広がります。

「美~17世紀のヴァイオリン作品集」
リナ・トゥール・ボネ
ムジカ・アルケミカ

ニコラ・マッテイス:
 アリア・ファンタジア
ロマヌス・ヴァイヒライン:
 パルティータ第3番
ビアジョ・マリーニ:
 ソナタ「ラ・モニカ」
ヨハン・ハインリヒ・シュメルツァー:
 ソナタ第4番
アンドレア・ファルコニエーリ:
 フォリア
ハインリヒ・ビーバー:
 パルティータ第5番
アントニオ・ベルターリ:
 チャッコーナ
ヨハン・パウル・ヴェストホフ:
 リュートを模して
ディートリヒ・ブクステフーデ:
 2声のソナタ BuxWV272
マルコ・ウッチェリーニ:
 アリア「ラ・ベルガマスカ」
パオロ・チーマ:
 ソナタ第2番
リナ・トゥール・ボネ(vn・指揮)
ムジカ・アルケミカ
録音:2019年

1曲目の出だしから
ヴァイオリンのソロで聴かせます。
リナ・トゥール・ボネらしい
情熱的なヴァイオリンの音色が
響き渡ります。
独奏曲であるため、聴感上は
モノクロームの印象を受けます。
ところが2曲目からは
ムジカ・アルケミカが加わります。
音に奥行きが広がるとともに、
ヴァイオリンもより艶やかに
聴こえてきます(そういう効果を狙った
編集なのでしょう)。

このムジカ・アルケミカ、
ブックレットには9名の名前が
クレジットされていますが、
曲によって必要なメンバーが
演奏に加わる形となっています。

どの曲も素敵な曲ばかりなのですが、
私が特に気に入ったのは4曲目の
シュメルツァーのソナタです。
ゆったりした気持ちのいい音楽が
紡ぎ出され、爽やかな印象を受けます。
ところが途中から曲調が変わり、
それに華やかさが加わります。
こんな素敵な音楽が
17世紀にすでに存在していたのです。
いや、17世紀に、飛躍的に
発展したというべきでしょうか。

古楽の世界は、
そしてバロック・ヴァイオリンの世界は、
こんなにも奥が広かったことに
改めて気づくことができました。
特にこのリナ・トゥール・ボネからは
当分目を離せません、いや、
耳を離せません。
やはり音楽は愉し、です。

(2022.2.13)

当盤鑑賞に最適のSAKE

【今日のさらにお薦め3作品】

【関連記事:リナ・トゥール・ボネ】

【古楽はいかがですか】

コメントを残す